振袖なら許される?着物には色々決まりがありますが、振袖は別格です!

未婚の女子の第一礼装と言われるのが「振袖」です。
成人式や結婚披露宴、格式のある場所に着て行くには存在感も品格もあり、「振袖を着て行けば間違いなし!」と言われる程。フォーマルウェアとして人気ですが、実は着物の常識に当てはまらないことが振袖ではしばしばOKとなっています。

そう言われれば・・・と思っている方も多いハズ。
振袖の不思議をお伝えしましょう。

振袖は季節に関係なく着用することが出来るようになりました。その理由は?

結婚式の披露宴に出席する時、振袖で参列する方も多いですよね。でも秋や冬の結婚式で着る同じ振袖を、夏の結婚式にも当たり前のように着ていませんか?

伝統文化の一つである「着物」は、季節感が大切と言われています。確かに春夏秋冬、自然の移り変わりがハッキリとしている日本ですから、着物を着る上でも季節に関して、細かい決まりがあるのは当然かも知れません。

柄ももちろんですが、難しいのは着物を着る時期です。
ここで簡単にご紹介しますと・・・10月から5月までが袷(あわせ)で、5月の下旬から9月中旬は単(ひとえ)と言われています。

袷と単の違いは、一言で言えば、裏地を付けるかどうかです。単純なことですが、着心地は随分と違います。
裏が無いというだけで、涼しくそして、軽くもなるのです。ですから、着物は季節に応じて着こなしていきます。

5月以降の結婚式なら着物なら単、7月や8月なら更に単の薄物・絽(ろ)になりますが・・・振袖だけは、季節に関係ないようで、大抵の方は5月以降も袷の振袖を着用します。
高価な着物ですから何枚も用意するのは大変ですが、もちろん、それは他の着物も同じです。

振袖だけどうして特別なのでしょうか?

一つは、夏に行う成人式が増えてきたという点です。以前は1月15日が成人の日ということで、その日に成人式を行う市町村が多かったと思います。
ところが、最近は夏休みに成人式を変更する地方も出てきました。

大きな理由としては、大学の定期試験があるようです。ほとんどの大学は、後期試験を1月下旬から2月上旬に行います。1月15日は試験勉強やレポート提出と学業に追われるため、地元を離れて大学に通う学生は、成人式だけのために帰省しないことが多くなったとか。

寒くて雪の多い地域では、無理に寒い1月に成人式を行うよりも、8月のお盆の時期に成人式を行った方が参加者が多い・・・こんなことから「夏の成人式」に変更となったようです。
この現象は、今も増えてきているようですね。

ところが、真夏の成人式では袷の振袖は売れません。そこで着物業界が中心となって「振袖は季節に関係ない」とのイメージを作り、今まで通りの振袖販売ができるようにしたようです。。

確かに、振袖を着る時はホールやホテル、結婚式場といった冷房完備の場所がほとんど。暑さの面から言えば、袷を着ても問題は無いでしょう。

でも訪問着や付け下げの袷を夏に着ていれば、非常識と言われてしまいますよね。
「振袖は季節に関係なく着ることができる」と言われるのは・・・・実は業界のイメージ戦略が成功した結果だったのです。

最上級の「格」を持つ振袖。でも「家紋」はどうですか?

また、着物には「格」が重要とも言われています。
礼装、準礼装、お洒落着と着物にも種類があり、その際、格付けを意味する「家紋」を付けるのです。

正式な所に着て行くには五つ紋といって、背中心に一つ、両外袖に二つ、胸にも左右一つずつの合計五つに「紋」が無ければいけません。第一礼装と言われる振袖も、一昔前は染め抜き五つ紋を付けていました。ところが、今は紋を付けないのが一般的です。

なぜ?本当に?・・・私も疑問に思いましたが、実際成人式で振袖を着ている人を見ても、紋が付いている振袖はありませんでした。

振袖は総柄のため、華やかな振袖ほど紋が入れ辛く、だんだん省略されてきた歴史があるようです。
また、振袖はお母様からお嬢様に伝えていきたい・・・と思っても、実家の紋が入っている振袖は姑達の手前、娘に着せにくいとか、レンタルが普及してきた昨今、家紋があると色々と問題が多いのかも知れません。

そんなことから「振袖は無紋でも、礼装でOK」ということが、常識となってきたのでしょう。

短い期間しか着られない振袖。思い切って着倒してみませんか!

季節も格もこだわらないなんて、振袖しか無いようですね。
残念ながら着られる期間は10年弱と短いですが、万能といわれる最強アイテム、それが振袖と言えます。

成人式などでせっかく振袖を作られたなら、帯や小物を使って雰囲気を変えながら1回でも多く着てみて下さい。振袖は、きっと素敵な思い出を演出してくれる筈です。


この記事を書いたひと

cyobicyobi
cyobicyobi
仕事で着物を着る機会が多く、気が付くと着物ファンに。
日本の伝統文化のひとつである着物は、着ることはもちろん、観賞しても楽しく飽きることがありません。
着物の良さを、少しでも多くの方にお伝えできればと思っております。

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